お知らせ
JAIMA(一般社団法人 日本分析機器工業会)の発表の、日本電子株式会社(JEOL)の機器紹介に関する質問への回答
2021年7月15日
質問1.サンプル作成時、乾燥方法が2つ示されましたが、各々の違い、利点と不便な所は何ですか?
①臨界点乾燥法
- 利点
a. 細胞、臓器、など細胞膜がデリケートで、内容物が詰まっている試料に向く - 不利な点
a. 高圧ガス(液化炭酸ガス)を使用するため高圧ガス保安法に則った手続きが必要(役場への届け出)
b. 臨界点乾燥装置の法的な定期点検が必要
②凍結乾燥法
- 利点
a. 高圧ガス不要のため、簡便に設置が可能 - 不利な点
a. 細胞膜の薄いもの、構造的にデリケートな試料は変形しやすい
b. 試料により、凍結のコツが必要
質問2.光学顕微鏡の改良によって、より細かいものが見れる可能性はありますか?
- より細かいものを見るためには 以下の条件が必要です(SEMも一緒です)
①光源の波長を短くする・・・可視光線を紫外線にする
②光源の散乱光を排除する・・・絞り(ピンホール)を使い、光線の中心部を使う
③精度の良いレンズを使う・・・収差(光線の歪)を少なくする
④波長の揃った光源を使う・・・レーザー光を使うことにより波長を整えられる
⑤光線の通り道を真空にする・・・ガス分子による光散乱が防止でき、屈折率が上がる
⑥床からの振動を防ぐ・・・高い倍率になると外乱の影響を受ける
※紫外線、レーザーを使った顕微鏡は実際に販売されています