2021年日本大会(リモート大会)

ごあいさつ


玉尾 皓平

今年の国際化学オリンピック日本大会はリモートで行います
  • 第53回国際化学オリンピック日本大会 IChO2021 Japanは大阪での開催に向けて準備してきましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの状況に鑑み、リモート大会とすることに決定いたしました。リモート大会では実験試験ができないことや生徒たちの国際交流の機会が失われるなど、大きな犠牲を伴いますが、世界各国の代表選手や関係者の皆さんの健康と安全を最優先に考え、決定したものです。

    昨年の IChO2020トルコ大会は国際化学オリンピック史上はじめてリモートで開催されました。これも参考にしながら、IChO精神の下、公正、公平かつ信頼性の高いオンライン大会を実施することを誓います。

    7月25日(日)に開会式、28日(水)に筆記試験、8月2日(月)に閉会式を行う予定です。その間のエクスカーションでは、参加選手たちの国際交流と日本文化に親しんでもらう取り組みを計画しています。参加全選手のアバター(分身キャラクター)を作って交流の場を設けます。また、通常は入れないような場所、今回は、世界最大規模の放射光施設SPring-8へのVR(バーチャルリアリティ)訪問ビデオの制作などを計画しています。実行委員会では、問題作成とともに、これらの国際交流プログラムにも総力を挙げて取り組んでいます。現在、世界84ヵ国・地域に招待状を発送しています。できるだけ多くの国からの参加を楽しみに待ちたいと思います。

    わが国の代表選手4名も選出されたことがこの度、日本化学会と「夢・化学‐21」委員会から発表されました。世界中の選手たちとの学力競争に加え、海外の友人を沢山作ってもらえるよう願っています。

  •  さて、国際化学オリンピックは毎年開かれます。来年以降、2022年:中国(天津)、2023年:スイス(チューリッヒ)、2024年:サウジアラビア、2025年:アラブ首長国連邦、と続きますので、現在の高校1年生から小学6年生まで順次チャンスが巡ってきます。今回の日本大会に関しては、組織委員会では、プレイベントなどでPRすると共に、子どもたちや一般の方々に化学の重要性や楽しさを伝えてきました。化学大好きな子供たちには、ぜひ次のチャンスの日本代表選手を目指して頑張ってください。8月2日の閉会式では、そんな思いも込めて中国に大会旗を引き渡せるよう、関係者一同、全力で取り組んでまいります。

    国際化学オリンピック日本委員会 理事長
    第53回国際化学オリンピック日本大会 組織委員長
    豊田理化学研究所 所長
    京都大学 名誉教授

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