2021年日本大会(リモート大会)

ごあいさつ(2020年度)


  • 細井 美彦

    細井美彦

    2021年の第53回国際化学オリンピックを近畿大学・東大阪キャンパスにて開催できることを大変光栄に存じます。

    近畿大学は、西日本の6か所にキャンパスを構え、医学から芸術まであらゆる学びを網羅した14学部と短期大学部を備えた日本有数のスケールを誇る総合大学です。そして、すべての学部で建学の精神である「実学教育」を実践し、社会の役に立つ人材を育成することを目指しています。特に最近では、国際学部の設置やロシアとの人材育成プログラム等を通してグローバル化も強力に進めており、多くの海外の大学と連携協定を結び、キャンパスにも交換留学生の人数が増えています。
    また、グローバル化を推進する教育研究環境の整備のひとつとして、2017年4月、東大阪キャンパスに、文理の垣根を越えて社会の諸問題を解決に導くための学術拠点として“ACADEMIC THEATER(アカデミックシアター)”を開設し、着々と実績を積み重ねております。

    この東大阪キャンパスは、2019年6月に行われたG20サミット首脳会議の開催地であり、2025年に国際博覧会(万博・EXPO 2025)の会場として世界から注目されている大阪にあり、ものづくり企業の集積地であるとともに、日本文化の源流である奈良や京都へのアクセスも非常に良い便利な場所に立地しております。

    奇しくも東京オリンピック・パラリンピックは2021年に開かれることになりました。
    まさに同時期に世界のホットスポットとなっている大阪にある近畿大学東大阪キャンパスで世界の高校生の知の祭典である「国際化学オリンピック」が開催されますことは、非常に意義深いことであります。

    近畿大学は、参加される多くの国々の高校生が素晴らしい環境(施設設備)の下で、その知力を存分に競って頂けることを第一に考え、教職員一同、一丸となって万全の準備態勢で臨みます。さらに、様々な日本の文化にも触れて頂ける機会を設け、国際交流を深められる絶好の場となるように、努力して参ります。皆様の近畿大学東大阪キャンパスへのお越しを心待ちにしております。

  • 玉尾 皓平

    2020年10月

     第53回国際化学オリンピック日本大会 IChO2021 Japanが2021年7月24日(土)から8月2日(月)まで、大阪で開催されます。組織委員会を代表して、世界中の化学だいすき高校生を日本にお迎えできることを楽しみにしています。
     化学はセントラルサイエンス、身の回りのものはすべて化学です。化学は、新しい物質を創り出すことを使命としています。物質の構造・機能を原子レベル、分子レベルで理解し、変換できる唯一の学問分野です。人類がいま直面している地球規模でのエネルギー・環境・資源問題から貧困、飢餓問題に至るまで、多くの問題の解決には化学が主役で取り組まねばなりません。IChO2021 Osaka, Japan が、これらの化学の資質を備えた若者の育成に少なからず貢献できるよう取り組みたいと思います。
     IChO2021の会場となる大阪は、わが国の政治と文化の発祥の地である二つの古都、奈良と京都、に囲まれています。また、大阪は活気あふれる近代商業都市であると同時に日本での化学研究の発祥の地でもあります。IChO2021 Osaka, Japan が、人的交流・文化交流を通して多くの友達の輪を築く「触媒」となることを願っています。

     ところが、今年2020年になって、私たちを取り巻く状況が激変しました。世界規模の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによって、困難な状況に直面しています。
     今年の IChO2020トルコ大会はオンライン開催を余儀なくされました。7月25日のオンライン試験と7月30日のオンライン閉会式を見事に運営、成功に導かれた IChO2020組織委員会および運営委員会の委員の皆様のご尽力に、心よりの敬意と謝意を表したいと思います。
     この国際化学オリンピック史上はじめてのオンライン大会の成功は、次の3つの点で特筆すべきことと思います。
    (1)世界中の代表高校生たちに自国に居ながらにして化学を楽しむ貴重な機会を提供した。
    (2)彼らは、前代未聞の困難にも打ち勝つ希望と勇気を与えられた。
    (3)国際的な友情と信頼が、参加60余ヵ国間で共有・強化された。
    この様に、私達は、今回のオンラインIChO2020トルコ大会から多くのことを学びました。
     私は、そのオンライン閉会式に招待され、その最後にIChO2020トルコ大会組織委員長 Hasan Mandal 教授からコンピューター越しではありましたが、 IChO大会旗を受け取りました。
     いよいよ私たちの番です。しかし、状況は不透明です。大阪でのリアル大会と共に、オンラインIChO2021も想定した準備に取り掛かりました。いずれにしても、私たち組織委員会メンバーは、IChO2021日本大会を成功に導くべく総力を挙げて取り組んでまいります。

     私たちの最終決定は追って発表いたします。関係各位のご理解、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

    国際化学オリンピック日本委員会 理事長
    第53回国際化学オリンピック日本大会 組織委員長
    豊田理化学研究所 所長
    京都大学 名誉教授

過去のメッセージ(2019年度)